11.最後の一瞬を笑えたのなら

お隣の親戚の子ォから日記帳言うて貸してもろたけど、捲っても捲っても惚気しか出て来ないんやからけったいな日記帳やでこれ。
ええ歳して男と交換日記なんてする柄でもあらへんけど、まあちょっとくらいやったら付き合うたってもええか。

街に来てまだ誰とも会うてへんから書くことも大してないなァ、
こうやって一人寂しく日記を書く暇があったら、外に出た方が得策やろか。
毎日仕事尽くめで、このアパートも寝て帰るだけの場所になってしまいそうやし。

カップラーメンやインスタント以外に、飯の一つや二つ作ってくれる子ォ転がってたらええんやけどな。
ほな、遊びに行こか。出会えるも出会えないも運次第、…まあそういう場所の方が俺に合うてるんは確かやし。

西條円っと。
憂君やっけ、これからもどうぞ宜しゅう。交換日記らしく、な。